水処理の「み」vol.2
こんにちは!水処理チームのYです。
前回の投稿 水処理の「み」では、水処理の仕事全般を紹介しました。
今回は、水族館にとっては欠かせない海水が、どのように「うみがたり」へ運ばれ、水槽に使われているのかを紹介します。
海からポンプへ
「うみがたり」は海が望める位置にある水族館です。
そのため、水槽に使用している海水は全て、当館の目の前にある日本海の沖合800m地点からポンプを使って運んでいます。このポンプは海水を汲み取るため「海水取水ポンプ」と呼んでおり、海岸の海水取水ポンプ室内の地下に設置されています。
2台のポンプを交互に切り替えて運転することで海水を汲み上げており、ポンプの手前には海藻など大きなゴミを回収するためのストレーナーというカゴが設置されています。
キッチンでいう排水溝のカゴの役割をしています。
ストレーナーには海中のゴミだけでなく生きものが入ってくることがあります。通年では、貝・小さなエビ・カニ・ウニ・ナマコ、
春先はコウイカ・アオリイカ、夏から秋はカワハギ・イシダイ、
冬はビクニンと、意外にも季節によって様々な生きものが入ってきます。
まれにキジハタ・メジナ・ブリの子供・マダコが入ってきたことも…!
生きている個体は持ち帰り、展示またはバックヤードの水槽に入れることもあります。
水の仕分け
ポンプで汲み上げられた海水は配管を通って館内に運ばれ、ろ過器を通し、地下に設置してある貯留槽に貯められます。
「ろ過器」は、カゴでは取り除けなかった小さなゴミなどを取り除く役目があります。
上部には粗目、下部には細かいろ過砂が入っており、上から入った海水が砂の合間を通ることで、ゴミだけがろ過器の中に残り、濾された海水は貯留槽へと進みます。
新鮮な海水を水槽にお届け!
貯留槽に貯められた海水は、海水給水ポンプを経て各水槽に送られます。
こうして「うみがたり」の水槽は新鮮な海水で満たされます。
今回は当館で使用している海水の旅路をご紹介しました!
当館に来た際には、ぜひ大水槽を見てみてください。
天気の良い日は、空から降り注ぐ日差しと相まって透明感のある美しい景色が見られますよ!