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ゴマフアザラシのおはなし その2

こんにちは。
前回に引き続き、海獣類担当のYです。

さて、皆さまお待たせしました。子獣について前回の続きをお届けします!
 
前回は誕生からホワイトコートが抜けるまでを語りましたが、今回はプールデビューから現在までをより熱く語っていきます!

ゴマフアザラシの子育て期間は2~3週間ほどです。
その期間が終わると“離乳”となり、成獣と同じく魚を食べ始めます。

生後1か月経った4月上旬。
人の手から魚を食べる練習を始めました。これがなかなか手ごわい!自発的に食べてくれるようになるまで時間がかかりました…。
アザラシの子獣は母獣のミルクで栄養をたっぷり蓄えています。そのため、数週間は餌を飲まず食わずでも問題がない考えられています。
ですが、食べない期間はやはり心配…。
生きた魚、切り身、丸ごと…。試行錯誤を繰り返し、スタッフみんなでアイデアを出し合った結果、子獣が魚を食べてくれた時の安堵と喜び!とてもうれしかったです。

魚を食べる練習のようす

餌を安定して食べられるようになると、いよいよ「ふれんどプール」デビューに向けての練習です。

6月中旬。
元々いた陸地の多いエリアから、バックヤード側にあるプールに移動しました。仕切り越しで、展示エリアにいる他のアザラシと顔を合わせながら、他個体がいる環境に慣れさせます。
興味津々に他のアザラシと交流している様子を見て、スタッフ一同、大物の予感がしました(笑)

カメラにも興味津々♪

餌を安定して食べることできるようになり、ついに7月7日、「ふれんどプール」デビューの日を迎えることができました!
産まれてから約4ヵ月、私たちスタッフ一同が最も待ちわびていた日です。
 
バックヤード側のプールから展示エリア側へ出ると、スイスイとプール内を泳ぎ回り、他個体への警戒やトラブルもなく、初日から大物感を見せてくれました!

最近の目標は、最後まで陸場で餌を食べる事!
今は陸場に上がっても、餌をくわえるとスーッと水中に戻ってしまいます。健康観察のためにも、その場にとどまって餌を食べられるように練習中です。

給餌のようす(すぐさま水中に…)

そんな子獣は、ご来館いただくお客さまに対して、好奇心旺盛な様子を見せてくれています。水面から顔を出し、こちらを覗いたり近づいて来たり…。時には、自身の後肢を追いかけるように水中をクルクルと回って遊びます。
取材時にしっかりと自身の可愛らしい姿を見せてくれる様子には、大物感と天性のアイドル気質を感じてしまいます♡
陸場で日向ぼっこをする時間も増えてきたので、ぜひじっくりと観察してみてくださいね♪

これからも子獣の成長と、奮闘するスタッフの姿を見守っていただければ幸いです!


ゴマフアザラシ
【学名】Phoca largha
【英名】Spotted seal
名前の通り、体にゴマ模様があるのが特徴の種類。
日本海やオホーツク海に生息しており、産まれた直後は黄色っぽいフワフワの体毛(ホワイトコート)に覆われているが約2週間ほどで抜け落ちてゴマ模様が出てくる。




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